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ジェイムス・ブレイク『Friends That Break Your Heart』5作目の最高傑作!

鬼才ジェイムス・ブレイクの5thアルバム『Friends That Break Your Heart』はコロナ禍で疲れた心に染みわたる名作!
ずっと聴いていられる名盤に寄り添ってみましょう。

ジェイムス・ブレイクの経歴


ジェイムス・ブレイク(James Blake)は1988年10月26日生まれ。

The Wilhelm Scream


イギリス・ロンドン出身のシンガーソングライター(SSW)&プロデューサーです。

ジェイムス・リザーランド / Where To Turn


父は、ジャズロックプログレバンド・コロシアムColosseum)の創設メンバー(ギター&ボーカル)だったジェイムス・リザーランドJames Litherland)。

Retrograde


2009年に1stシングル「Air & Lack Thereof」をリリースし、2014年に第56回グラミー賞の最優秀新人賞にノミネートされました

Radio Silence

King’s Dead


2019年にはジェイ・ロックJay Rock)、ケンドリック・ラマーKendrick Lamar)、フューチャーFuture)とのコラボシングルKing’s Dead」で、第61回グラミー賞の最優秀ラップ・パフォーマンス賞を受賞しました

「King’s Dead」は映画『ブラックパンサーOST(2018年2月)、ジェイ・ロックの3rdアルバム『Redemption』(2018年6月)に収録されています。

スロウタイ / feel away (feat. James Blake & Mount Kimbie)


エレクトロニックデュオのマウント・キンビーと共に、2011年頃ジャンル化されたポストダブステップの旗手と称されています。

Mile High (feat. Travis Scott & Metro Boomin)


ビヨンセBeyoncé)、トラヴィス・スコットフランク・オーシャンFrank Ocean)、ケンドリック・ラマー、ジェイ・ZJay-Z)らのプロデュース、楽曲提供、コラボ、リミックス、カバーなども数多く手がけています。

アルバム『FTBYH』の概要


シングル4曲を含む全12曲の5thアルバム『Friends That Break Your Heart』(フレンズ・ザット・ブレイク・ユア・ハート、以下FTBYH)は2021年10月8日、ボーナストラックが1曲追加された全13曲盤(デジタル配信のみ)は10月12日にリリースされました。

音楽の進化に伴ってジャンルは細分化されてきましたが、次々に生まれるサブジャンルでも追いつかないほど最先端の音楽を生み出しているジェイムス。

10年あまりの経歴を振り返ってもタイムレスな楽曲ばかりですが、新型コロナのパンデミックによるロックダウン中に作られた『FTBYH』は異様なほど聴きやすいという特徴があります。

時世を反映し、「友だちや大切な人と自分」の関係が描かれていて、不穏な雰囲気が漂いつつ、最終的には安らぐコンセプトアルバムです。

電子音楽界の異端児としての音響的な遊びはそこかしこに散りばめられているものの、鍵盤奏者による歌モノ&ラップのポップミュージックとして幅広く受け入れられるでしょう

アーティストのマイルス・ジョンソンMiles Johnston)によるカバーアートは不気味な世界観が表現されているものの、動画ではそれでも安らぐ仕かけが施されています。

【1】Famous Last Words


「Famous Last Words」(フェイマス・ラスト・ワーズ)は9月13日に先行リリースされた第3弾シングル。

別れが描かれていて、ミニマルなリズムは怪しげながらも心地よく、浮遊感あふれるボーカルも楽器の一部のように音響的に聴こえるダウンテンポチルナンバーです。

ジェイムスは作詞・作曲・プロデュース・ドラムプログラミング・ストリングスアレンジ、ボーカル・キーボード、ミキシングレコーディングエンジニアなどを担当。

マウント・キンビードミニク・メイカーDominic Maker)と共に、ジェイムスの恋人の女優ジャミーラ・ジャミルJameela Jamil)もサブプロデューサーとしてクレジットされています。

【2】Life Is Not the Same


「Life Is Not the Same」(ライフ・イズ・ノット・ザ・セイム)は8月20日に先行リリースされた第2弾シングル。

88rising>所属のジョージJoji)さんによる超音波的高音から低音へのエフェクトボイスなどのバックボーカルが印象的な失恋ソングです。

テイク・ア・デイトリップ


共同ソングライター&共同プロデューサーにプロデューサーデュオのテイク・ア・デイトリップTake A Daytrip)、サブプロデューサーにKhushiを迎えています。

【3】Coming Back (feat. SZA)


シザをゲストボーカルに迎えた「Coming Back」(カミング・バック)は、アルバムと同じ10月8日にリリースされた第4弾シングル。

エレピフェンダーローズFender Rhodes)のサウンドを再現できるソフトシンセアートリアArturia)のStage-73 Vパーカッションとして活用されたオルタナティブR&Bです。

アリオッタ・ヘインズ・ジェレミア / Lake Shore Drive


アリオッタ・ヘインズ・ジェレミア(Aliotta Haynes Jeremiah)の「Lake Shore Drive」(1973年)がサンプリングされています。

スターラーStarrah)は共同ソングライター、ドミニク・メイカーはコーラス&共同プロデューサー&共同プログラミング、ジャミーラ・ジャミルとKhushiはサブプロデューサーです。

【4】Funeral


タイトルの「Funeral」(フューネラル)とは「葬式」のことですが、「Funeral」と「Too well」で韻を踏んでいて、「自分の葬式で生きていることをよく知っている」といった内容。

絶望的な状況でも諦めずにベストを尽くそうとするダウンテンポです。
Khushiもサブプロデュース。

Funeral (with slowthai)


スロウタイをゲストに迎えたバージョンは、後に配信リリースされたデジタル盤13曲目のボーナストラックになっています。

ザ・トゥナイト・ショー


アメリカのトーク番組「ザ・トゥナイト・ショー」のライブ映像です。

【5】Frozen (feat. JID & SwaVay)


JIDジェーアイディー)とスワヴェイをゲストに迎えた「Frozen」(フローズン)。

ダークなラップに彩られたアンビエントで、心を失い、凍った世の中が描かれています。
ジャミーラ・ジャミルもサブプロデュース。

【6】I’m So Blessed You’re Mine


もともとビリー・アイリッシュBillie Eilish)に提供するために制作し、兄のフィニアスFinneas)にも送ったものの、結局ジェイムス自身の曲になったという「I’m So Blessed You’re Mine」(アイム・ソー・ブレスト・ユーア・マイン)。

Five12シーケンサーモジュールVector Sequencerを活用したコーラスのループが印象的なミニマルナンバーです。

コーラス&共同ソングライター&サブプロデューサーにドミニク・メイカー、コーラス&共同ソングライター&共同プロデューサー&レコーディングエンジニアなどにKhushi、サブプロデューサーにジャミーラ・ジャミルとJosh Stadlenを迎えています。

【7】Foot Forward


冒頭の「メトロ」という呼びかけ、「OK」の高低差、「全力を尽くす」という意味のタイトルの連呼などがやたらとクセになる「Foot Forward」(フット・フォワード)。

共同ソングライターや共同プロデューサーはメトロ・ブーミンMetro Boomin)とフランク・デュークスFrank Dukes)とアリ・タンポジAli Tamposi)、サブプロデューサーはドミニク・メイカーとジャミーラ・ジャミルです。

ダン・ヒル / Frozen in the Night


ダン・ヒルDan Hill)の「Frozen in the Night」(1978年)がサンプリングされています。

【8】Show Me (feat. Monica Martin)


モニカ・マーティンをゲストボーカルに迎えた「Show Me」(ショー・ミー)は、ミディアムテンポのバラード

キック(バスドラム)モーグMoog)のモジュラーシンセDFAMが使用されています。
共同プロデューサーはドミニク・メイカー、サブプロデューサーはKhushiとジャミーラ・ジャミル。

【9】Say What You Will


「Say What You Will」(セイ・ワット・ユー・ウィル)は7月22日に先行リリースされた第1弾シングル。

MVにはビリー・アイリッシュの兄フィニアスも出演していて、何かとフィニアスと比較して落ち込むものの、どうにか自信を取り戻すジェイムスの姿が描かれています。

突然アカペラになるところやビブラート過多のロングトーンが切なくもユーモラス。

和訳


MVのエンディングで引用されているのは、ルーズベルト元大統領の名言「比較とは喜びを奪うもの」。

ジミー・キンメル・ライブ!


アメリカのトークライブ番組「ジミー・キンメル・ライブ!」のライブ映像です。

共同ソングライター&共同プロデューサーにドミニク・メイカー、共同ソングライター&サブプロデューサーにJosh Stadlen、サブプロデューサーにジャミーラ・ジャミルを迎えています。

【10】Lost Angel Nights


「Lost Angel Nights」(ロスト・エンジェル・ナイツ)は讃美歌のようなバラード

ジェイムス自身、デイヴ・スミス・インスツルメンツ(Dave Smith Instruments、現Sequential)のアナログシンセプロフェット’08Prophet ’08)を使ったベースノート(ボトムノート)がお気に入りだそうです。

ブルックリン・デュオ / Canon in D


パッヘルベルカノン」を彷彿とさせる旋律も美しく響きます。

共同ソングライターはアリ・タンポジ、サブプロデューサーはドミニク・メイカーとKhushiとジャミーラ・ジャミル。

【11】Friends That Break Your Heart


友だちとの別れが描かれたタイトル曲。

ジェイムスはシンベシンセウーリッツァーピアノ、共同ソングライター&共同プロデューサーのリック・ノウェルズRick Nowels)はアコギキーボードメロトロンローズピアノを演奏しています。

ピアノ・バージョン


ピアノ・バージョンも公開されています。

【12】If I’m Insecure


教会音楽のような鍵盤とヴィオラの音色、聖歌のようなコーラス、ラストのドラム音が印象的な「If I’m Insecure」(イフ・アイム・インセキュア)。

共同ソングライター&ストリングスアレンジにニコ・マーリーNico Muhly)、サブプロデューサーにジャミーラ・ジャミルを迎えています。

パンデミックで孤立し、不安だった心が浄化されたのではないでしょうか。

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