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リトル・シムズ『Sometimes I Might Be Introvert』2021年ベストアルバム!

出典:Amazon

9月3日のリリース直後から、早くも2021年のベストアルバムと音楽通のあいだで話題になっている、リトル・シムズ(Little Simz)の『Sometimes I Might Be Introvert』を紹介!

リトル・シムズの経歴


リトル・シムズ(以下、シムズ)はケンドリック・ラマーに絶賛され、ゴリラズ、アンダーソン・パーク、ローリン・ヒルのツアーにも参加したラッパー(MC)・歌手・女優

1994年2月23日生まれ、西アフリカのナイジェリア・ヨルバ系イギリス人で、ロンドン北部イズリントン出身です。

  • アーティスト名:リトル・シムズ(Little Simz)
  • 本名:シンビアツ・アビソラ・アビオラ・アジカウォ(Simbiatu Abisola Abiola Ajikawo)
  • 女優名・作詞家名・本名:シンビアツ・アジカウォ(Simbiatu Ajikawo)
  • 愛称:シンビ(Simbi)

9歳からラップを始めたシムズは、2010年以降ミックステープやEPをリリースするようになり、2015年9月インディーズレーベル<Age 101 Music>からアルバムデビュー。

3rdアルバム『Grey Area』(2019年3月)はマーキュリー賞にノミネートされるなど、大躍進しました。

アルバムの概要


4thアルバム『Sometimes I Might Be Introvert』のタイトルは、愛称SIMBIのバクロニム(逆頭字語、あいうえお作文)で、「たまに内向的になるかもしれない」という意味です。

ロックダウン中に作られ、全曲プロデュースしたのはシムズの幼なじみで、イギリスの4人組バンド・ソー(SAULT)を率いるインフロー(Dean Josiah “Inflo” Cover)。

ヒップホップ、グライム(ハウス+ラップ+レゲエ)をルーツに、R&B、ソウル、ファンク、アフロビート、ジャズ、エレクトロニカなど、さまざまな要素がてんこ盛りです。

バンドサウンドやポップミュージックが好きな人にも刺さる、大作65分のアルバム全19曲を紹介します。

【1】Introvert


軍隊の行進のようなドラム、壮大な管楽器と鍵盤のファンファーレから始まるタイトル曲で、アルバム収録1枚目のシングル(2021年4月)です。

外向的に振る舞わなければいけないアーティストのシムズと、内向的なひとりの人間としてのシンビの葛藤、戦争や差別がある世界について描かれています。

Netflixドラマ『ザ・クラウン』シーズン4でダイアナ妃を演じた女優エマ・コリンが、5曲中3曲のインタールード(間奏曲)でも語りを担当していて、アルバム全体が映画的。

【2】Woman (feat. Cleo Sol)


ソーのクレオ・ソル(Cleopatra “Cleo Sol” Nikolic)をゲストボーカルに迎えた、アルバム収録2枚目のシングル(2021年5月)。

Live on BBC Later


ナイジェリアの民族ヨルバをはじめ、「ブルックリンの女性は80年代のドナ・サマーのようにイノベーションを起こす」など、世界中の女性をエンパワメントしています。

The Tonight Show Starring Jimmy Fallon


シムズが母親に捧げたメロウなナンバーです。

【3】Two Worlds Apart


「ドラマとケンドリック・ラマー」で韻を踏むなど、言葉遊びが特徴的。

スモーキー・ロビンソンのアルバム『A Quiet Storm』(1975年3月)収録曲「The Agony And The Ecstasy」のサンプルが使われています。

「2つの世界」は「ラップとR&B」「苦しみと快楽」「外向的なシムズと内向的なシンビ」「アーティストと女優」を表しているでしょう。

【4】I Love You, I Hate You


父親に対する「好き、嫌い」という矛盾する気持ちが描かれた、アルバム収録4枚目のシングル(2021年7月)。

1曲目と3曲目で二面性についての説明があり、2曲目で外向的なシムズとして母親に代表される女性を取り上げ、4曲目で内向的なシンビとして父親と対峙。

「父親が最初の失恋相手になるなんて」など、幼少期の孤独がハードなラップで吐露されつつ、メルヘンチックで壮大なオーケストラサウンドと合唱に彩られています。

【5】Little Q, Pt. 1 (Interlude)


いとこのQにまつわる二部作のインタールードは、メルヘンチックな子どものハミングとQの祈りの独白で構成されています。

【6】Little Q, Pt. 2


兄の刑務所行きと父親の不在により、14歳で一家の大黒柱となったQについてのラップ。

「ナイフで刺され、2週間昏睡状態に陥った」などの過酷な過去を乗り越え、「私たちは太陽のように空高く飛ぶ」という子どものコーラスで締めくくられています。

【7】Gems (Interlude)


あなたの心は宝石でいっぱい」などのコーラスと、「心のままに」といったエマ・コリンの語りがファンタジックなインタールードです。

【8】Speed


一転して攻撃的なラップ。

「短距離走ではなくマラソンのように走り続けている。私はカニエ・ウェストだと思う」と活動初期になかなか認められなかった不満が吐露されています。

【9】Standing Ovation


ハードなラップは「10年以上辛抱強く活動してきたから、総立ちの拍手喝采が必要」といった内容です。

華やかなリズム隊&オーケストラサウンドから、「Blessed」というファンタジックな子どものコーラスへの転換が印象的。

【10】I See You


ギターリフが切なく響く、まったりとしたラブソングです。

【11】The Rapper That Came to Tea (Interlude)


エマ・コリンが「お茶に来たラッパー」を迎えるインタールード。

「あなたはまだ星に手を伸ばせる」(スターになれる)などのコーラス、壮大なオーケストラサウンドがファンタジックに響きます。

【12】Rollin Stone


グライムMCとして本領を発揮している、アルバム収録3枚目のシングル(2021年6月)。

「働き者のママと風来坊のパパから生まれた私」が「ファーストクラスで渋谷にお寿司を食べに行きたい」などの欲望をさらけ出しつつ、世界各地を転々とするように自己探求の旅を続けています。

【13】Protect My Energy


内なる平和を守るためにひとりでいる」というブギー(ポストディスコ、エレクトロファンク)。

【14】Never Make Promises (Interlude)


「戦うと負けるから、何も約束しないで」と願うゴスペル調のインタールードです。

【15】Point and Kill (feat. Obongjayar)


ナイジェリア出身、ロンドンを拠点に活動する歌手オボンジェイヤー(Steven Umoh)とコラボしている、アルバム収録5枚目のシングル(2021年9月)。

BBC Radio 1Xtra Live Lounge


「好きなようにやる。望むものは手に入れる」と軽やかに歌うアフロビートのビバップです。

【16】Fear No Man


「誰も恐れない」という呪術的・祝祭的なコーラスやパーカッション、「超サイヤ人になる」などのラップ、ウッドベースのリフが超ファンキーなアフロビート

【17】The Garden (Interlude)


エマ・コリンが「あなたの庭に愛を与えて」とシンビに語りかける静謐なインタールードです。

【18】How Did You Get Here


「どうやってたどり着いたの?」という壮大なコーラスの問いかけに、「重要なのは夢を信じて諦めない忍耐力だった」と答えるシムズ。

アルバムをとおしてシンビの内面を見つめ続けたことで、二面性が統一された印象です。
「終わりのない物語で、長い道のりだった」と笑う様子に自信がみなぎっています。

ジャズ、R&B、ネオソウルの要素が入り混じったサウンドも絶妙。

【19】Miss Understood


「外向的なシムズと内向的なシンビ」のギャップが再び表面化し、姉とも理解し合えず、誤解されたままだと憂いているジャジーなナンバーです。

18曲目で一件落着と丸く収まらないところがアルバム『SIMBI』らしく、「終わりのない物語」を表現しているとも考えられるでしょう。

おわりに

Venom (Remix)


シムズはマーベルのアメコミ映画『ヴェノム』(2018年10月・11月)の続編『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』(2021年10月1日・12月3日)に女優として出演

全米公開日の10月1日、3rdアルバム『GREY Area』の収録曲「Venom」のリミックス音源をYouTubeに公開しました。

Venom (Official Lyric Video)


元の「Venom」のリリックビデオです。

A COLORS SHOW


ドイツ・ベルリン発の音楽プラットフォーム「COLORS」(ColorsxStudios)の人気企画「A COLORS SHOW」のパフォーマンス映像もアップされています。

Live at the Forum in London


こちらはロンドン・フォーラムのライブ映像。

「Venom」とア・トライブ・コールド・クエストの2ndシングル「Electric Relaxation」(1994年3月)のカバーが披露されています。

Venomリンク

Top Boy


ドレイクがエグゼクティブ・プロデューサーのひとりに名を連ねる、Netflixの犯罪ドラマ『トップボーイ』シーズン1(2019年9月、チャンネル4版込みだとシーズン3)。

女優シンビアツ・アジカウォとしてメインキャストのひとりシェリー役を演じていて、新シーズンの続投も期待されています。

Top Boyリンク

Little Simzリンク

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